皆様こんにちは!藤田義彦です。
今回は池井戸潤氏著の「空飛ぶタイヤ」を読んだ感想です。

タイトルだけ見るとファンタジー物と勘違いしますが、実際の内容は我々の業界では絶対にあってはならない、ある事件がテーマになっています。

とある町の運送会社のトラックのタイヤが走行中に外れ、散歩をしていた親子に当たり、死亡事故が起きる。
運送会社の社長である主人公は、整備不良を疑われ、大企業(自動車メーカー)が事故車を回収して警察に事故調査を依頼すると、警察は整備不良と断定。
しかし、運輸局が調査し、点検記録簿等で確認すると、しっかりと点検してあることが判明。そこで主人公は、自ら調査に乗り出し、部品の返却等を求めますが、大企業はそれに応じません。
そして、コスト削減で品質の低下を知りながら製造・販売を続けた結果、同様の事故が何件も発生。その全ては整備不良で片付けられてしまう。
主人公はこの事故を全て調査し、品質不良の疑いを見つけるも、それを証明する手立てがない。
その頃、大企業内部では、主人公と同じくその事実を突き止めた社員による内部告発があり、リコール隠しの実態が明らかになり、主人公の疑いはようやく晴れることに・・・。

201611-01.jpgこの話は実際に起きた事故を元に書かれています。
大企業のいつまでも変わらぬ企業体質、それに立ち向かう中小企業の社長、内部告発により自分の会社や立場が危うくなるのを恐れずに正義を貫いた社員。
見て見ぬふりをしない事や悪い事を悪いと言えるそういう体制作りが大事なのではないでしょうか?
キチンと整備したつもりでも品質の問題で事故が起きたら元も子もありません。各メーカーには、よりよい製品を製造し、販売してもらい、我々も整備不良でお客様に不安を与えないように日々努力をしていきます!

(担当:藤田義彦)
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